第一線で奮闘する小倉第40普通科連隊の実戦的な戦闘訓練を観る

第一線で奮闘する小倉第40普通科連隊の実戦的な戦闘訓練を観る

 

 

CQBの切れ味

 

ファイアーと号令がかかった後の、弾出しが思った以上に速いので、本気モードで真剣に厳しい訓練を積み上げたのがわかり、ニヤッとしてしまいました。
前日の第40普通科連隊の主要幹部との刺身が抜群に旨い「よしずみ」での懇親会の時、「連隊長に見て頂くので今年は結構練習しました」、「まだ、レベルは低いですが、合格点を貰えば嬉しいです」と遠慮しながら、キラッとした目つきで言うので訓練展示を観るのが楽しみで仕方がない状態でした。

89式自動小銃には、嬉しいことに、マウントの低いダットサイトが付いています。

通常の照星と照門を使った場合、練習を積んでも1.5秒ほど弾が出るまでかかり、ダットサイトを使用すると0.7秒かからないで弾出しができます。至近距離での戦いは、敵よりも素早く正確な射撃のできる戦士が勝利します。そのため、弾出しの早さは極めて重要であり、勝敗を決するものとなります。

記念日行事でのCQBの基本動作では、観客席側の3人は、姿勢も良く銃の取り扱いに慣れていましたが、残りのメンバーは伸びしろのあるレベルの隊員であったので当初心配していました。しかし、全員の弾出しが早く「いいね」と思わず心の中で叫んでしまいました。

多少のCQBの型の出来、不出来はあっても、弾出しの早さは、実戦での強みを発揮します。CQBの底辺はまだこれから広げなくてはならない状態ですが、第一線で通用するレベルの隊員がいることで、連隊の将来の進展を予感させます。

CQB

 

 

日本で一番早く小倉に導入したLAVの運用

 

陸上自衛隊の中で、初めて導入したLAVの運用は、歴史と訓練の積み上げを感じます。連隊長時代の記念日行事の練成訓練をしている時、反転時車体が転がってしまうようなレベルとは違い、軽装甲機動車LAVの特性を良く理解した運用と火力を増やす工夫がなされています。

自動小銃1丁と3丁との威力の差は、弾が出ないと違いを理解しにくく、隊員達がやりにくい態勢で自動小銃を敵へ指向する努力をしていることを理解することが難しいものです。

特に、実弾を使用すると銃の多く指向することによる威力と圧力の凄さを実感できます。至近距離で自動小銃を2丁指向する状態は凄まじく、敵は顔を出したり、敵の行動を停止させる威力があります。

国際貢献活動に精通している現連隊長の工夫が光ります。

 

 

爆破技術の進歩

 

爆破は、戦闘において極めて重要な戦闘技術です。爆破技術は全ての戦闘に必要な技術であり、自由自在に爆破を使える隊員を保有することイコール、実戦に強い部隊の育成につながります。

今年の訓練展示の爆薬による戦況現示は、昨年に比して雲泥の技術的向上がありました。第40普通科連隊は、実戦に強い部隊の育成が進んでいることがわかります。

 

 

40連隊の得意技は高強度の戦い

 

第40普通科連隊は、自分が着任する前の連隊長の時から市街地戦闘訓練が得意な部隊として全国に名前が広がっていました。
当時の第40普通科連隊といえば、市街地戦闘訓練やCQB訓練ばかりしていて、火砲の威力を発揮させながら、各種部隊の戦闘力を総合的に発揮させる高強度戦闘はあまり訓練をしていないと思われがちでした。

CQBや市街地戦闘訓練は、事態発生の蓋然性が高く全隊員ができなければならない必須の戦闘技術として捉えているため、新隊員からベテラン隊員まで、CQBができるようになるまで第40普通科連隊では訓練をしました。
そのため、低強度の戦闘、CQB戦闘技術の底辺が大きく広がり、技術レベルも自然に高くなりました。

高強度訓練は、一度も高強度戦闘で負けたことのない富士トレーニングセンターの対抗部隊を徹底的に叩くことを目標に、砲迫火力の迅速・正確な要求と射撃、対戦車火器と戦車火力による火網の構成、障害と火力の組み込み、小隊対抗戦闘訓練等、普段から訓練時間を一番割いて高強度戦闘訓練を進めていました。
従来の戦法に加え、新たな戦法を皆で考え出し、CTSでシミュレーション訓練をしたり、実員訓練をしながら戦法を修正しながら実戦で通用するものに仕上げるため、訓練時間はかなり必要となり、多くの訓練を積み上げてきました。

このため、実は、第40普通科連隊は、高強度戦闘が得意な部隊でした。

2015年の訓練展示では、その一端がよく表現されています。

戦車侵入

 

 

小倉の戦闘技術を抜けない技

 

第40普通科連隊の得意とする戦闘技術は、高強度戦闘とCQBに加え、もう一つあります。この戦闘技術はあまり知られていないものです。もう一つの戦闘技術も併せて、しっかり訓練を積み上げながら、めっぽう実戦に強い部隊を作り上げてもらいたいと思います。

 
≪次のブログも参考にしてお楽しみ下さい≫
 
伝説の男 -黒崎健時-
 

 

 

 

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二見龍レポート#1 ネイティブ・アメリカンの狩りの技術を伝える川口拓氏との対談
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40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
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そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
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『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
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オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
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