第40普通科連隊の訓練展示を10年振りに見る-futamiryu小倉へ行く-

第40普通科連隊の訓練展示を10年振りに見る-futamiryu小倉へ行く-

 

 

偵察飛行のOH-6の操縦技術

 

小倉駐屯地の訓練展示を見た、国会議員でひげの隊長の愛称を持つ佐藤正久氏は、「強い部隊の行動を見ることができ心強い」と称賛しました。隊員の真剣な頑張りを見ている皆が感じるいい訓練展示となりました。

訓練展示は敵部隊の偵察をする偵察ヘリの行動から開始します。OH-6は、天気が不安定なので天候が悪化しても飛行できるように駐屯地内に推進しています。素早い動きの中に安定した状態で機体を制御し、UH-60と思わせるような空を泳ぐ魚のように飛行しています。かなりの腕です。宙返りをするような急上昇には、驚かされました。初っ端から気合が入っています。

 

 

ガンハンドリングと分隊戦闘訓練展示

 

情報小隊のオートバイによる偵察行動は、射撃をしているがただ音を出しているだけで狙っていないところが気になりました。こんな訓練を一番の精鋭集団の情報小隊の隊員が納得してやっているのかと驚かされました。

最近はCQBやガンハンドリングはあまりやっていませんと昨夜メンバーが話していた通り、あまり普段やっていないなというガンハンドリングでしたが、短い期間に相当厳しく訓練をして仕上げたなというのがよくわかり、隊員の昔ながらの頑張りを感じます。

ニー、ロー、弾出しの速度はこれからレベルを上げてほしいなと感じながらも、色々な状況でよくこのレベルが残っていたなと安心しました。戦闘技術の向上のための核があるので少しほっとしました。

敵に撃たれた隊員を後方に下げる動作は、まず撃たれた者のところへ行くのではなく、敵を後退させる射撃や戦力を使い敵が下がるまで負傷した隊員自身が自分で止血をします。敵を後退させて行動の安全を確保した後に救出をするのが基本です。

コンバットメディックを含め最新の技術をこれから取り入れて訓練していくと良くなると頑張っている隊員達を見て思いました。

 

 

隊員達の隊舎でのエントリー訓練

 

ガンハンドリングと分隊戦闘訓練を見ている時、連隊長時代に見た隊舎での隊員の訓練風景がよみがえってきました。あの日はCPX(地図を使用したシュミレーション訓練)をやっていて第2回作戦会議が終了したのは夜の8時になっていました。

こんな時間、隊員は隊舎で「何をしているのか」とふっと思い、隊員の隊舎に行くことにしました。

階段を上がって2階に行こうとすると上の階に緊張が走っているのを感じます。この感覚は何だと思って階段を上がり廊下を見ても誰もいません。明らかに緊迫感が強くなっているので「個の緊迫感は何か」と思いながら立っていると、電動ガンを持って隊員が部屋から出てきました。

スタックを組み始めて、部屋のエントリー訓練やJ-フックの練習を真剣モードでやっています。短い時間に隊員のレベルが上がっていたのでカンどころと器用な隊員が多いと思っていましたが、彼らは毎日しっかり練習をして腕をあげていたのを知りました。

「外出しないのか」聞くと「レベルが低いと組んでもらえませんし、強くなりたいからです」と返ってきました。「見てもいいかい」というと「連隊長の見ているプレッシャーのなかで訓練できるのは効果があります」と答えて直ぐエントリーが始まりました。何度も何度も細かいところの修正をしながら、仕上げています。心の中で「ありがとう、強くなれよ」と言い、隊舎を後にしました。

そんなことを思い出しているうちに、主陣地の攻撃のシーンになっていて、模擬戦のクライマックスに入っていました。

 

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一人の光る男

 

敵の主陣地への戦車を含む火力を集中した攻撃の時の超過射撃、間隙射撃をよりキチンとできるようになると良いなと思いながら見ていると、突入後降伏してきた敵兵が、突然襲いかかってきたのを通常の格闘ではなく、スカウトのタクティカルという早く小さな動きで確実に敵を仕留めていく格闘をした隊員がいました。

タクティカルのレベルかなり高く、よくぞこの重要な戦闘技術を錆びさせずに保持し、伝えられてきたなと目頭が熱くなる動きでした。よく見ると敵兵役は皆スカウトスーツを着ています。

訓練終了後、思わず強い隊員達のところへ行き、握手をして頑張りを讃えました。

多くの強いメンバーが揃い、素晴らしい連隊長が着任した第40普通科連隊の成長がこれからとても楽しみです。

 

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自衛隊最強の部隊へ-偵察・潜入・サバイバル編: 敵に察知されない、実戦に限りなく特化した見えない戦士の育成
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二見龍レポート#2 コンバットメディックの照井資規、弾道と弾丸を語る
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40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
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本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
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 日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
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1 Comments

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