Water Hazard Precautionでは、アウトドアインストラクター、ラフティング、ロープワーク、サバイバルを身に付けている濱田亮氏が川の流れの特性についてわかりやすく紹介しています。例えば、川には、日本各地に残る河童伝説の元にもなっている現象が起こる場所があります。その場所は、水量や地形などの状況次第では誰かに脚や体を持たれて水中に引きずり込まれるからです。場所によっては、ライフジャケットを着ていても水中に引きずり込まれてしまいます。楽しい場所であるはずの川には、思った以上に危険な場所が存在しているのです。
そのため、濱田氏は、PFD(パーソナル・フローティング・デバイス≒ライフジャケット)の重要性について強調します。一方で、PFDは馴染みのないもので、その必要性をほとんど理解されていません。そのため、川や湖に遊びに行って、正しく着用できる人は多くはありません。
どうしても、私自信もPFDのイメージは「邪魔」「面倒である」というイメージがあります。
PFDの有用性を実感していない多くの人が多いので、ネガティブなイメージを持つ水泳能力の高い人で実験を行いました。その人は水泳の選手で泳ぎには自信たっぷり。川幅は6〜7m、泡立ちもせず、ゆらりと流れる川で実験しました。
彼は、水泳の選手であるため、川を完全に甘く見ていました。本人はPFD無しで腰に短いロープを付け、その端末をすぐ脇でPFDを着用して泳ぐのが濱田氏の役割りでした。彼は、濱田氏の安全確保は全く必要がないと言っていましたが、実際は濱田氏がいなければ事故が発生していたかもしれませんでした。
いざ泳ぎ始めると、往路はかろうじて対岸へ泳いで到達できましたが、復路で沈み込む流れに捕まってしまい、驚いたことに、濱田氏の目の前で沈んでいったのです。
川の水は透明度が低く瞬く間に目視不可能になったので、腰に付けたロープが無かったら完全にアウトの状態に陥りました。
泳ぎの得意な水泳の選手でも川底に引き込む川の流れには勝てずに沈んでしまう例からも、水の事故を防止するために、PFD装着しなければならないことがわかります。
川辺の安全確保について、具体的な内容を紹介しながら、川の流れの特性についてわかりやすく説明しています。
本書は、水辺の安全確保と本格的な水害が組み合わされた内容になっています。本書が皆様の安全確保に役に立てれば幸甚です。
Water Hazard Precaution: 被災者も助けに行く人も、知っておくべき水害の恐怖!
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