松岡氏と出会ったのは、第40普通科連隊長の時(2005年頃)でした。彼に初めて会った時の印象は、エネルギッシュで高い価値観を持った若きチャレンジャーという感じでした。
彼は、周りの人の心に火を付けるタイプの人間です。人の心に火を付けるタイプは、なかなかいません。連隊長の時に出会った一騎当千の逸材が狙撃の道へ進み、まったく何もない荒れ地の状態のところへチャレンジを続け周りの仲間と連携して、最終的には陸上自衛隊の狙撃課程を作り上げたのです。松岡氏なくしては、狙撃の道は開けなかったか、時間がかかっていたと思います。
本書は、スナイパーの基本的事項から、教育訓練に対する姿勢に至るまで、6つの章に分けて記述をしています。手強いスナイパーは、初めから強い兵士であったのではなく、素直な資質を持ち続けることによって、常に成長を続け到達できることがわかります。できないことを出来るようにしようとする価値観と向上心は、吸収力を向上させ、自身の身体へ戦闘技術を高いレベルで定着させていきます。
彼は自衛隊を退職しても、最新の装備・技術を追求して現在でも、国土防衛に貢献しています。人員が不足している自衛隊にとってこのような人材を再雇用することができれば、部隊・隊員の能力の向上にとって、計り知れない能力を発揮してくれるのは間違いありません。
本書は、松岡氏の書き下ろしのコラムと彼との対談内容をまとめたものです。本書が皆様にお役に立てれば幸いです。