12月に入ると、オオクワガタ採集ポイントの下草がなくなり一気に視界が開け、活動範囲が拡大します。昼間の気温は、タフな活動をするのにちょうどいい感じになります。この時期に里山を歩くのは何ともいえない清々しさと気持ちよさがあります。さすがに年明けは、甲府盆地特有の厳しい寒さと雪、路面凍結の恐れがるので、平成30年の採集は今回で終了となります。次の採集は、梅の花が咲く時期からの開始となります。
韮崎市・北杜市一帯では、12月の中旬を過ぎると、クヌギの葉もほとんど落ちてしまい、見通しもよく、速いペースでポイントを確認できます。
奥にある見つけにくかったり、死角になっていた朽木も発見しやすくなります。
北杜市一帯まで、採集ポイントを広げ、700メート以下の地域を狙うため、標高を確認しながら、台場クヌギの林を歩きながら朽木を探します。
朽ち木自体が少なく、昔はどんな木にも寄生していたカワラ茸も最近はめっきり少なっています。
何処も開発が進んで林が小さくなってきたのを感じます。大きなクヌギ林が広がっているところを狙うのが正解かなと思い、韮崎市方面へ移動することにしました。
韮崎市一帯の大きく深いクヌギ林が続く場所に到着です。いつもは、けもの道沿いの空間が開放されメスが産卵しやすい台場クヌギを狙います。
今回は、人の目に触れない深い場所へオオクワガタは追い込まれているのではないかと思い、林へ太陽光の当たり方や入り方を確認しながら、けもの道の奥深くまで入っていきました。
山梨採集に通い始めた頃は、クヌギ林も深く、四差路で右の道をのこのこ歩いているキジと出合い頭でお互いに驚くような場面は全くなくなりました。キジも人間から昔と同じ距離をとるため、奥に入っていってしまったからかもしれません。
夏場だと見落としてしまう浅い谷に降りれる場所があり、けもの道のような道が奥くまで続いている入口を見つけました。夏場ではうっそうとしている草木で隠されていて気がつきませんでした。
かなり奥に入っていくと、警戒音を発する鳥の鳴き声が確認できました。
キジです。
昔はいたるところにいたキジとやっと出会うことができました。オオクワガタを求めて歩き回っていたのですが、久し振りにキジに出会えて満足してしまい採集はこれで終了にしました。
今回の山梨県韮崎市・北杜市一帯採集の目的のもう一つは、二年前に幼虫を採集し、成虫になったオオクワガタのオスを採集したポイントへ戻すことです。
採集と飼育を楽しませてもらったオオクワガタに感謝をして、元の自然へ返しました。
かなりの疲労状態と身体が冷え切った状態で、従妹の家に戻ると、石油ストーブが赤々となっていて、やかんからチンチンと音を出しながら湯気が上がっていました。とても懐かしい感じがしました。やかんのお湯で熱いお茶を頂き、一息入れると、「温泉に行きましょう」といわれ、山梨採集の楽しみの一つである温泉行が即決まりました。
歩いて、5分の所にかけ流し温泉があるので、すぐに準備をして出発しました。この温泉の効能は、疲労回復と身体を芯から温めるとのことでした。
露天風呂も夜空を眺めながらゆっくり入り、気持ちもリフレッシュし、元気回復です。
従妹の家に帰ったら、コップ一杯のビールを飲み干したら、鍋で日本酒を楽しみました。田酒の百四拾は田酒の中でも特にお気に入りの酒です。
「美味しい」とニコニコ顔になりながら、三十六萬国の米で作った金ラベルの鍋島を開け、「もう響きの17年物は手に入らないから貴重です」と響きを味わいながら、いつまでたっても話が終わらない楽しい時間を過ごしました。
オオクワガタ採集をしていなければ、このような感じで従妹と過ごす時間もなかったと思います。
人生を豊かにしてくれたオオクワガタに感謝しながら、今年のオオクワガタの採集は終了となりました。
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オオクワガタ飼育、マット飼育で安価に多くの大型個体を累代飼育
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天然オオクワガタを求めて-山梨県韮崎一帯オオクワガタ採集記-
オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界
オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
オオクワガタを通じ、色々な経験や学びがあり、人生が豊かになった感じがします。そんなオオクワガタ採集記をお楽しみ下さい。
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