自衛官3年目にやるべきこと、やってはいけないこと

自衛官3年目にやるべきこと、やってはいけないこと

 

 

陸士は2年で一人前

 

陸上自衛隊の陸士は、2年で一番下の2士から1士、そして陸士長になります。新隊員教育を半年間受けて部隊へ配置され半年が経過すると1士へ昇任します。後輩が1年に2回程度入ってくるので、陸士長になると4世代の後輩が早くもいます。18歳で入隊すると20歳で多くの後輩ができ面倒を見たり、引っ張っていく立場になります。

幹部も防大を卒業して幹部候補生学校を出ると24歳で数名から2桁の部下が付きます。陸曹も陸曹教育隊を卒業すると下士官として陸士を取りまとめる立場になります。

 

 

一人前になってからやるべき事

 

後輩ができると、若い隊員がいろいろ雑作業をやってくれるのと、階級的に差があるので所謂若くして偉くなります。そして、一人前の隊員としての扱いを受けるようになります。普通ならば、後輩ができ一人前として扱われても恥ずかしくないように努力をしたり、能力向上に努めるものですが、しっかりした心を持っていないと「やすきに」流されてしまうものです。

人間誰でも部下ができ、自分の言うことや指示通りに部下が動いたり、下級者から「ご苦労様です」と敬礼を受けるようになると、だんだん自分は偉いんだと勘違いしてしまいがちです。

部下は、その人を尊敬して敬礼をしたりしているのではなく、職務上しているだけです。これを取り違えてしまいます。

自分は偉くなったんだという勘違いは、言葉遣いや行動が荒くなってきます。俺は凄いんだという気持ちがあるため、能力向上のためのチャレンジ精神が低下し、自分のなんてことのないプライドが傷つかないように守りに入ってしまいます。

後輩ができ、一人前になってからの更なる能力向上と活躍を期待されているのに、意識は守りに入ってしまい、若くして身体もよく動くのにできないことが少しずつ増えていく老人のような状態に陥ってしまいがちです。

 

 

できない事だらけの自分を知る

 

できることが増えると更に先が見えるようになるため、次のやりたいことをするためには、克服したりできるようにする努力が必要なことが分かります。急激に成長する20代は、3日~1週間ごとに成長する時期です。何かをするだけで成長する素晴らしい人生のゴールデンといえるような時期です。

成長する度に、今までできなかったことを可能にする目標を立て、努力をすると次々ハードルを飛び越えて前に進んでいきます。更に、後輩や部下ができ、組織で一人前として扱われるようになるのでチャレンジすることが満載です。

「自分はできるんだ」という意識から、一人前として扱われるようになって「自分ができることはまだまだ僅かで、できないことばかりである」ということを認識できるようになった若者は、急激に成長していきます。

 

 

要領に走らず基礎を大きく作る

 

どうしても、あまり努力をしなくてもよく、簡単で早く結果が出る要領ばかり、先輩の行動から学ぼうとして真似をしてしまいますが、先輩のように行動する素地や実力が無いと上辺だけの真似では上手くいきません。

全力でメンバーと行動したり、考え、学びながら経験を積みながら人間性を上げていくことが大切です。即席ラーメンお湯を注ぐとすぐ食べれるように短時間で簡単に実力は付きません。毎日の全力投球を続けながら、なりたいイメージの人物を目指して努力を積み上げていくことが3年目を過ぎた隊員の向うべき方向です。

 
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40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
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本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
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『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

 

オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界
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オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
オオクワガタを通じ、色々な経験や学びがあり、人生が豊かになった感じがします。そんなオオクワガタ採集記をお楽しみ下さい。

 

 

 

オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~
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マット飼育は、菌糸ビンのように簡単に大型を作出するのは難しい飼育法ですが、綺麗な個体を得ることができ、安価で多量にオオクワガタを飼育できることが魅力です。
本書により、マット飼育のコツを積み上げ、皆さんの目指すオオクワガタを作出して頂ければ幸いです。

 

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1 Comments

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