師団長から急に今晩やってほしいと言われたこと

師団長から急に今晩やってほしいと言われたこと

 陸上自衛隊には、2年に1回のペースで自分の指揮官からしっかり部隊を鍛えているかどうか、訓練検閲という約1週間の実動訓練の試験を受けます。

 普通科連隊は、特科大隊、戦車中隊、施設中隊、高射中隊、通信部隊を増強した戦闘団を構成して、訓練検閲を受閲します。戦闘団は、独立的に行動できる能力を保有しているため、戦闘団長の状況判断、連隊幕僚の活動、中隊長以下の戦闘行動、隊員の戦闘基礎行動など、全般を検されます。

 40連隊は、戦闘団検閲を受ける部隊の対抗部隊を担任していました。検閲といっても、シナリオ方式ではなく、ガチンコの戦いを求められるため、対抗部隊役といっても、本気でかかってくる戦闘団と戦いを行うため、戦闘団に準じた強い気持ちと、訓練を積んでこなければなりません。

 連隊長に着任した時、連隊長お久し振りですと現れた懐かしい男がいま した。

 彼は、幹部初級課程の教官の時の学生でした。

 「連隊長には中隊長として全力でお仕えしたかったです」というので、今何をしているか聞いてみると、4科長(兵站幕僚)をしていると言います。

 中隊長はやったのかと聞くと、すでに2回経験したとのことでした。

 そんな彼が、計画に全くなかった突然の師団長から命じられた後退行動を鬼神の働きで成功させたのです。

 後退行動は、鈍重な兵站部隊を最初に離脱をさせ、重車両を保有する部隊、戦闘支援部隊、第一線部隊、最後まで戦場に残り戦闘行動を行い敵を欺騙して離脱する部隊の順番に戦場を敵に悟られずに離脱をしなければなりません。

 夜間行動のため一発本番は、統制が難しく安全確保も難しい作戦になります。

 その時のことをYouTubeでお楽しみ下さい。

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