オオクワガタトラッキング採集 -初めての灯火採集(許可制)に挑戦-

オオクワガタトラッキング採集 -初めての灯火採集(許可制)に挑戦-

 

 

認可制の灯火採集

 

ブナ・ミズナラ帯のオオクワガタ採集では、水銀灯や自動販売機の明かりに集まるオオクワガタを採集する灯下採集を行っていました。開けた場所で強い明かりにオオクワガタを引き寄せる灯火採集をよく見かけ、灯火採集を一度体験してみたいと思っていました。

色々情報を集めると申請して許可を受けると決められた場所で灯火採集が可能で、機材も宿泊場所で貸し出してくれることがわかりました。

灯火採集のできる場所は指定されており、許可申請書を作成して灯火採集の許可書として灯火採集間提示するのぼりを受領します。
採集できる場所は、多くありません。予約はできず、当日の申請順で場所が決まります。週末は灯火希望者が多くなかなかのぼりが取れない状況です。

許可条件は、何項目もありますが、常識的で難しい事はありません。
重要なことは、その地域の宿泊施設に宿泊することです。

 

 

初心者用機材を借用

 

灯火採集は、機材の購入が必要のため一度はやりたいと思っていましたが、機材を購入するところまでは進まず、なかなか機会もなく10年以上経ってしまいました。

今回、宿泊施設で灯火機材一式を貸してもらえるところがあり、生まれて初めての灯火採集が実現しました。
機材は、発電機を使わず、小さいワット数の照明を台の上に設置して、コードをつなぎスイッチを入れるだけの初心者用です。
照明を2基使用して許可された場所に到着して10分程度で点灯開始ができます。

 

 

灯火採集開始

 

灯火採集で見慣れているのは、発電機を使用し緑色の強烈な明かりで出力も1000ワット近くある強力なものですが、この機材はとてもコンパクトで低出力です。
光は1000メートル近く届くのでオオクワガタのいそうな山の方向へ照射して引き寄せることができると説明を受けました。

緑色の明かりを使用するベテランの先客がいて、オオクワガタが生息していそうな方向を教えてもらい、角度を調整して待つこと10分程度で羽蟻が集まって来るモヤモヤした状態が始まり、小さな蛾も集まってきました。

今夜は、いいんじゃないかと感じました。

先客によると今夜は、昨日よりも気温が高くいい感じということです。
宿のメンバーもほぼ灯火採集の人達で、今日はいい感じであると言いながらポイントへ皆さん向っていきました。

 

 

気象を知るとより楽しめる

 

小さい蛾から、中型の蛾になりそろそろ甲虫が来てもいい感じになってきました。
「そろそろきそうね」と家内も順調な滑り出しを感じています。

うす曇りから空に満天の星が見えてきた時から、温度が下がり始め羽蟻は地面にべったりと張り付き蛾の飛びが急激に低下してきました。

明かりの届いている範囲は遠くても落下している可能性があるので、歩きながら地面を見ますが、甲虫の姿が全くありません。

ベテランの先客の所へ行き話をしてみると、かなりの虫が集まっていて、ぽつぽつクワガタが来ているが、オオクワガタは来ていないとのことです。少し飛びが悪くなったが、9時前後はよく来るので頑張りましょうと言われました。

うす曇りになり星が見えなくなると、また、蛾が飛び出しました。灯火採集は、気象の影響に左右されると感じました。
ポイントを見て回る灯下採集の場合、大きくポイントを移動することにより、コンディションの良いポイントや雨の降っていないポイントを責めることができるからです。

ガッと甲虫の落ちる音が聞こえ近づいてみると羽化したばかりのノコの中歯オスがいました。

ノコギリクワガタ

アカアシのメスも飛んできましたが、少し経つとパタリと虫の飛びが止まりました。

「甲虫が来る感じかしない」と家内が言います。「そうだね」と話していると、ガツンと左の方で甲虫が背中から落ちた音がしました。

二人で探すと、虫を見つけるのが得意な家内が、「いたいた、ひっくり返っている」と甲虫を発見しました。
近づくと「残念でしたカブのメスでした」と言われガックリです。

そうこうしているうちに、電源も限界となり、終了の時間になりました。

 

 

趣味を楽しむには自前の機材

 

灯火採集は、車を運転して次々にポイントを回り、オオクワガタを捜し回る動的な採集方法とは異なり、いそうなところに器材を展開して待ち受ける静的な採集方法です。

待ち受けの場合、場所と機材が重要となります。場所は指定された場所となるため、機材は灯火採集のルール内の出力でどこまでパフォーマンスを出せるかがとても重要となります。

このため、自前の機材を準備して採集するのが灯火採集のポイントだと感じました。自前の機材を使用して狙い通りにオオクワガタを採集できたら、何ともいえない喜びを味わえると思います。

もし、自分が灯火採集に切り替えるなら、1960年代後半に登場し各軍で使用されていた暗視装置を使用できたら面白いと思います。
第1世代の赤外線暗視装置は、赤外線を懐中電灯のように照射し、暗視装置で確認するアクティブ方式です。この暗視装置の照射装置を可能ならば手に入れます。

この赤外線照射装置の出す周波数帯は、人間の目では見えません。
光として認識できないので、見えるのは、光のない暗い状態です。

しかし、その周波数帯は、昆虫の集まる周波数のため、照射装置の周りに多くの昆虫が集まります。
蛾が渦を巻くように照射装置の周りに集まります。
明かりは、集まった昆虫を見つけれればいいので、照度はそんなに必要ないと思います。

このような自前の灯火装置を使えたら、どんな採集になるか楽しみです。
残念ながら、経費的に財務省大臣の家内へ予算要求をしてもまず必要性の理解を得るところから難しいと思います。

今回は、オオクワガタは採集できませんでしたが、オオクワガタ採集の違う楽しみ方を体験することができ、楽しい採集となりました。

今年の夏は、更に視点を変えて、新たなポイント探しにチャレンジしようと考えています。

 

 
 

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【kindle本が出ました】

 

二見龍レポート#1 ネイティブ・アメリカンの狩りの技術を伝える川口拓氏との対談
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オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
オオクワガタを通じ、色々な経験や学びがあり、人生が豊かになった感じがします。そんなオオクワガタ採集記をお楽しみ下さい。

 

 

 

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