二見龍レポート#6(2019.10.31発刊)に登場するのは、元米陸軍大尉 飯柴智亮氏です。
飯柴氏との対談場所となる地下鉄営団赤塚駅前に所在する「タクティカル プロ・ショップ エリート」を訪ねると、すでに飯柴氏は到着していました。彼の鍛えている体と身のこなしから、現役バリバリの頃の状態を維持するため、日々トレーニングを続けていることがわかります。
対談前の打合せをしていると、飯柴氏は、規律正しく誠実さに溢れ、武道で道を究めようとしている雰囲気がありました。そのせいか、アメリカ在住の飯柴氏から「日本」を感じました。
米軍、アメリカ人、日本人の視点を持つ飯柴氏のコメントは、切込みが鋭く鮮烈でした。
飯柴氏の語る実戦と戦場の話の雰囲気は、旧軍の方から実戦の話を聞いた時に感じた雰囲気に似ていました。
海軍将校会で戦闘の話をして頂いた時、旧軍の方たちは、激戦の様子を静かに鮮明に語られました。このような感じでした。
「一見危ないように思えますが、駆逐艦や巡洋艦と艦の間を並行して水面ギリギリで通過すると撃たれません」
続けて、「私達を撃つと対面にいる味方の駆逐艦や巡洋艦へ弾が当たる可能性があるので射撃ができないのと、艦と艦の間へ米軍機が近寄ろうとすると、米軍の対空火網の間を通らなくてはならないので接近してこないからです」
「この時は、100機近く出撃して2機しか帰ってきませんでした」と話すと、隣から「隊長、あの時は隊長と私だけしか帰れませんでしたなぁ」と元部下の方が激戦の状態とは対照的に淡々とした話しぶりで会話に加わりました。
「あの時は、お前と巡洋艦の真横を敵兵の姿が見えるほど近づいて飛びながら離脱したなぁ」と、また淡々と語ります。
それ以来、実戦の話は淡々と語られるものだという印象を持つようになりました。
飯柴氏との対談が始まると、静かに柔らかな、淡々と語られるリアルな実体験を聞いているうちに、自分も兵士としてアフガニスタンの戦場で偵察をする車列に加わっているような臨場感ある話に引き込まれていきました。実戦と戦場がありました。
『二見龍レポート#6 実戦と戦場 -元米陸軍大尉飯柴智亮との対談- PART.1 』
でリアルな実体験、実戦と戦場の世界に皆さんも足を踏み入れてみてください。
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