2年前に羽化し交尾させていないメスを種親として使用した時の産卵の状態

2年前に羽化し交尾させていないメスを種親として使用した時の産卵の状態

 

交尾をさせないで1シーズン過ごしたメスは次の年産卵するか

 

 

 2021年に産卵する種メスは、2020年に羽化した1頭のみが52ミリ台が確保できたのみで残りは40台ミリ中ごろであったため、2019年に羽化し、交尾せず未使用のまま残した3頭のメスを種親に使用することにしました。

 この試みは、30年以上飼育を行ってきましたが、初めての事でした。2019年のメスは、その年の種親の予備であり、血統と大きさ、形ともに申し分のない成虫であり種親です。

 ゴールデンウィーク前に交尾を行うようにセットし、3週間以上オスとメスを同じ容器に入れたのちに、オスは飼育容器へ移し、メスは産卵木をセットした産卵ケースへ移すことにしました。

 まもなくメスの食欲が旺盛となり、10個以上入れておいたゼリーを食べてしまう状態になりました。これで食欲が一時的に停止すると、産卵に専念する期間になります。

 産卵ケースを時々点検をすると、産卵木の断面に埋め戻しの跡がはっきりできており、確実に産卵していることがわかりました。2020年羽化のメスは、産卵木を真っ二つにするほど、大きな穴をあけており、大量の産卵をしていることが確認できました。

 今年も、いつも通りの量が確保できるなと思っていたのですが、予期しないことが起こったのです。

 

産卵木はホームセンターのものを初めて使用

 

 今年は、産卵木がいつもの通販ショップで品切れの状態になっており、Amazonで調べるといつもの産卵木が900円以上の値段で、さらに送料がかかる状態という異常な状態になっていました。

 まず、産卵木が手に入らないと累代飼育ができないという由々しき状態に陥ります。

 ネットで産卵木を探していると、横から家内が顔を出し、「ビバホームで蘭を買いたいな」というので、「まず産卵木に目途を付けてから」と返すと、「最近クワ・カブコーナーが大きくなったから手に入るんじゃない」という話を聞いた瞬間、「3分後出発!」ということになりました。

 拡大されたクワ・カブコーナーへ行くと、やや細い10センチの直径の産卵木がありました。

 ちょっと柔らかいかなと思いましたが、まず数を確保することにしました。長さ30センチの産卵木もあり、半分にすれば2本分の産卵木となるので少し硬めですが採用することにしました。

 この少し硬いというのが今回反省することになります。

 

 

2020年のメスの産卵状況

 

 2020年に羽化したメスは越冬して2021年の春に通常の状態での産卵をするパターンです。

 この種親は、幼虫で入手したものです。柔らかめの直径10センチの産卵木の1本は真ん中から分離してしまうほど産卵木が削られた状態で、残りの2本も産卵痕がかなりあり確実に幼虫が取れる状態でした。

 メスを出し、産卵木を1ヶ月産卵ケースに保管して幼虫割出し開始です。

 3本の産卵木は、食痕だらけでフカフカの状態になっていて、手でほぐすように幼虫を取り出すことができました。

 30頭以上の幼虫が確保でき、大満足の状態でした。 

 

2019年のメスの産卵状況

 

 次は、2019年に羽化し2回越冬した、未交尾のメス3頭を3つの産卵ケースで産卵させたものです。

 メスを入れて1ヶ月後、産卵を終了しメスを取り出します。

 この時、産卵木の断面には、何カ所も埋め戻しの跡があり、確実に産卵したことを確認しました。

 約1ヶ月後幼虫割り出しをするため、産卵木を確認すると、木肌の色がやや黄色っぽいクリーム色で、見るからに固そうで幼虫が産卵木を食べ産卵木を幼虫が活動しやすい環境を作っていないと感じる状態でした。

 産卵木の断面に産卵痕があるのですが、孵化していない感じがします。

 マイナスドライバーで木を削ろうとすると、「硬い」、幼虫がほとんどいない産卵木の特徴である「産卵木を削るとペキペキ音がする」状態でした。

 産卵痕を調べているとほとんどが孵化せずに死亡していることがわかりました。

 この3頭は、長さ30センチの産卵木を半分にして使用したものです。

 硬い状態のものです。中には、硬すぎて産卵木を割れないような状態に変化していました。

 最初産卵木の影響が強いのではと思いましたが、オオクワガタの大型になるとやや硬い産卵木でも産卵には問題が今までなかったこと、幼虫が食痕を作ると産卵木はバクテリアでコントロールされる状態になっていくので柔らかくなります。

 そのため、主要な要因は、2回の越冬をさせてしまったことではないかと考えました。

 3頭とも孵化できる健康な卵が埋めない状態になっているのではないかということです。

 残念ながら、3頭の種親からは、Aのケースは産卵を埋め込んでいるマットの中に1頭の幼虫、Bのケースは産卵を埋め込んでいるマットの中に9頭の幼虫、Cのケースは産卵木に3頭、埋め込んでいるマットの中に9頭(計12頭)の幼虫を得たのみでした。

 改めて累代飼育の基本である毎年確実に越冬させた種親を使用して産卵させる大切さを感じました。

 やはり自然界では発生しない2回越冬したにもかかわらず、交尾をしていない状態で累代飼育をするのはいい結果が得られない確率が高いという経験できました。

 また、幼虫を飼育し、成長にどのような影響を与えるのか、来年羽化した成虫の状況も確認し、結論をまとめようと考えています。

 

 

オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~

オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~

 

駐屯地司令の日常


駐屯地司令の日常

 

二見龍レポート#14 照井資規が語るコンバット・メディックの最前線


二見龍レポート#14 照井資規が語るコンバット・メディックの最前線

 

二見龍レポート#13 自衛隊の元狙撃教官が語るスナイパーの育成方法


二見龍レポート#13 自衛隊の元狙撃教官が語るスナイパーの育成方法

 

自衛隊式セルフコントロール


自衛隊式セルフコントロール

特殊部隊vs精鋭部隊 最強を目指せ


特殊部隊vs精鋭部隊 最強を目指せ

関連記事紹介

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です