今まで飼育をしていて5~6本の産卵木に対して1本の割合で、1ヶ月後の産卵木の状態が生木のように固くなってしまうタイプのものがあります。
ショップで購入しているため、自分で選定したのではありませんが、加水する時でも見分けることができません。
そのため、産卵木は2本産卵ケースへ埋め込む方式をとります。産卵痕は見つかりますが、幼虫が見つからず、産卵木は生木がただ乾燥した様な状態になっています。
幼虫で溢れているようなフカフカの状態ではなく、硬く、ドライバーで木を年輪に合わせて削っていくと、パキバキ、ペキバキという音がします。
産卵木の奥へ向かって食痕を作っている幼虫はおらず、卵の状態や孵化したての幼虫が多くて2~3頭いる程度です。
この時注意することは、産卵木の質が悪いためにマットに幼虫が出ていることが多く、マットの中から幼虫をとることができることです。
産卵木を埋め込んでいるマットを幼虫飼育用のマットを使用しているため、産卵木よりも幼虫のエサとして適しているマットへ幼虫が移動しやすいこと、産卵木内での幼虫の密度を上げないようにして十分エサを食べれるようにすること、産卵木の質が悪く生木のように固くしまった場合埋め込みマットのエサを取るため移動することなど、埋め込みマットへ幼虫が移動することが多くなります。
産卵ケースの埋め込みマットは、逆さにして別の容器へ移します。多い時は、10頭以上の幼虫が出てくる時があります。
また、産卵と産卵の間があいている場合、早く孵化して大きくなった幼虫がマットへ移動する傾向があり、2令前期の幼虫が出てくることがあります。
産卵木から幼虫を割り出す時、産卵木1本から取れる幼虫の数は、あらかじめエサとなるマットを小瓶に詰めて準備をしておきます。
幼虫を割り出して慌てて小ビンにエサマットを詰めると作業が荒くなり、幼虫を傷つけたりするからです。
また、割り出した幼虫をそのままにしておく時間が長くなってしまうので良い影響を与えないからです。
幼虫を移し替える小ビンの準備ができたら、産卵木の割り出しをすることを基本とします。
幼虫の食痕は、オオクワガタに必要な環境を作るバクテリアが含まれています。
産卵木からエサマットへ移した時、ビンはバクテリアでコントロールされていない状態であり、マットをオオクワガタのバクテリアで幼虫が住みやすい環境を作るため、産卵木にある食痕をできるだけ幼虫とともに小ビンへ入れます。
これでビン内環境のコントロールが進みます。
3令幼虫のエサ替えを行う場合、ビンの底を目指してどんどん潜りながら体にある糞を出して環境コントロールを行います。
まだ1令幼虫は、身体が小さいので産卵木を削った時に出てきた食痕を乾燥しないように木くずと区分して割り出しを行っているケースの隅に集めておき、小ビンへ幼虫を投入する時に幼虫に被せるようにします。
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