桧枝岐の南に位置し、川俣温泉の更に奥にある手付かずな自然が広がる奥鬼怒へオオクワガタ新規ポイント開拓に挑戦しました。奥鬼怒へは県道23号線沿いに接近します。川俣ダムが近くなると道が細くなり一挙に自然度が高くなります。奥鬼怒へは女夫淵村営駐車場に車を停め歩きとなります。
奥鬼怒は、一度自分の目で確かめておきたかった場所です。
20年前に奥鬼怒温泉が紹介される旅番組で灯りに来たクワガタを見た時、オオクワガタのメスのようだった記憶があるからです。
旅番組の人達は、クワガタの知識がないため、クワガタのメスがいました程度の数秒の映像でした。
奥鬼怒へ足がなかなか向かなかったのは、桧枝岐へ行けばかなりの確率でオオクワガタを採集できていたからです。
ほぼ行けばオオクワガタが取れている桧枝岐を選択してしまい、オオクワガタ採集ポイントとして成立しているかどうかわからない状態の奥鬼怒へ行かないまま、20年という月日が経過してしまいました。
近年、桧枝岐一帯は、生活様式の変化や街並みの変化、LED電球の普及やマイマイガの発生、クワガタの個体数の減少など、オオクワガタの採集できる環境が激変しています。
昔の桧枝岐のようなポイントを求め、遂に奥鬼怒のオオクワガタ採集ポイントを開拓する時が来ました。
女夫淵村営駐車場に車を停め奥鬼怒温泉までは、徒歩2時間から2時間半かかります。
自然遊歩道は、ほとんど人が通らず一抱え以上のブナやミズナラの気が生い茂っており、聞こえる音は川の流れる音と歩く時の自分の服の擦れる音だけの世界です。
深く豊かな自然があると実感できます。
クマ笹が生い茂る川と同じ高さの少し開けたところを歩く時、熊注意の看板を思い出しながらここで襲われたら何処に逃げようなどと考えます。
実際クマが襲う時は、音と気配を消して自分の真後ろか、避け切れないところまで近寄られているので受けきれず、かなりの怪我となります。
通常、音がすると熊は離れていくので、鈴をリュックに付けて歩きます。
自然遊歩道全般で多くの倒木が確認できます。
巨木が根っこから倒れていたり、太い幹が折れていたりしていて、自然の厳しさを感じます。
川沿いは湿気の強い所が多く、倒木はクワガタにとっては水分が多すぎ向いていない状態です。
朽木の多くは、赤枯れとなっています。
白枯れのような個所は、ハッキリ確認できませんが、非常に高い木の先端に数か所程度あった位です。
山間部は、8メートル~10メートル以上の雪に覆われない高い所に産卵するため、朽木があったとしても朽木採集は非常に困難で難しい環境です。
奥鬼怒の自然は、桧枝岐の南に位置しており、他に車で抜けることができない地形上の特性から、オオクワガタがいてもおかしくない条件が整っています。標高が1200メートルを超えるところがやや上がり過ぎというところはあります。
今回、林道の維持整備や奥鬼怒温泉宿への物資の補給に使用される許可された人しか通れない車両用のスーパー林道に夜間の安全確保用にライトがついていると予想して山に入りました。
スーパー林道には、橋が何か所も架けられているのが要図から読み取れたからです。また、温泉宿の近くに電灯があると考えていました。
スーパー林道は極めてシンプルで全ての橋に電灯はなく、温泉宿も電気は室内のみで屋外の外灯はなく、玄関もLEDのため灯下採集のできる環境は全くありませんでした。奥鬼怒一帯の偵察は今回で終了となります。
次のポイント探しは、東北か北陸、又は九州はどうかと考えています。
野性味溢れたヤマカガシです。
【kindle本が発刊されました】
天然オオクワガタを求めて-山梨県韮崎一帯オオクワガタ採集記-
かつてのオオクワガタ有名産地、山梨県韮崎一帯で天然のオオクワガタを求めた採集記が完成しました。本書は、「1年を通じた採集記」、「採集幼虫のその後」、そして、「20年前同じ場所で体験した採集記録(加筆)」の3部で構成されています。
≪次のブログも参考にしてお楽しみ下さい≫
クワガタ、カブトムシ採集・飼育を親子で楽しむ -産卵場所と飼育用マットの違い-
クワガタ・カブトムシ採集・飼育を親子で楽しむ -長生きさせるコツ-
クワガタ、カブトムシ採集・飼育を親子で楽しむ -種類によって寿命が違う、越冬の仕方-
クワガタ、カブトムシ採集を親子で楽しむ-クワガタ・カブトムシの発生時期を知る-
オオクワガタマット飼育 -1令、2令幼虫のマット飼育-
オオクワガタトラッキング採集編1 -山梨県甲府地域(その1)-
【kindle本が出ました】
二見龍レポート#1 ネイティブ・アメリカンの狩りの技術を伝える川口拓氏との対談
40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。
そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。
40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。
オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界
オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
オオクワガタを通じ、色々な経験や学びがあり、人生が豊かになった感じがします。そんなオオクワガタ採集記をお楽しみ下さい。
オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~
マット飼育は、菌糸ビンのように簡単に大型を作出するのは難しい飼育法ですが、綺麗な個体を得ることができ、安価で多量にオオクワガタを飼育できることが魅力です。
本書により、マット飼育のコツを積み上げ、皆さんの目指すオオクワガタを作出して頂ければ幸いです。