※本記事のアイキャッチ画像は、永田市郎様から頂いた画像を使用致しました。
九州には、各中隊に一番年をとっている陸士が、中隊の陸士をまとめ、「先任陸士長」と呼ばれている人がいます。部隊は、攻撃や防御にも応用できる独自の戦法を開発しようと訓練を進めている段階で、シミュレーション訓練やパーツパーツの実動訓練を積み上げていました。パーツ訓練とシミュレーション訓練の成果が出たので、次は全体の実動訓練で試す段階になりました。
みんなに「今回は、戦法の開発のため、色々試すので対抗演習で勝利を目指さなくてもいい」と話し、ここで新しい戦法の問題点をキッチリ出し、修正を加えて完成しようと考えていたからです。
数日後、官舎に先任陸士長が話を聞いてもらいたいことがあるので行ってもいいかと聞いていますと言われ、どうぞと答えて今夜6人の先任陸士長が来ることになりました。
雑談をしているとガブガブよく焼酎を飲んでいて３人は吐きながら飲む状態でした。なかなか切り出せないようなので、「話したいことは何？」と聞くと、「今日、各中隊の先任陸士長が、中隊の陸士を集めて話をして皆で決めたことがあるので、聞いて下さい」と言い。
続けて、「新戦法を開発するので負けてもいいとfutamiryu(著者)は言いましたが、私たちの部隊は負けてはならないと陸士全員で決めました。いつも戦闘技術に負けはないとfutamiryuが話していることを新戦法のために曲げたくありません」と伝えたいことを話してくれました。
「うーん」と困っていると、「負けないために、勝つために早く戦法を完成したらいいと思います。そのために訓練がいかに厳しくてもみんなでやります」と言われました。
純粋な気持ちを持つ陸士の熱いものを全身で感じていると、「futamiryuお願いします」と言われ、私もここまでの陸士の心と団結とやる気に、「約束する」と答えました。
次の日から、幹部全員を集めて陸士の考えを伝えて、彼らは本気なので、並みの本気では許されないぞと皆に認識させ、幹部・陸曹・陸士が一体となって厳しく訓練を続けました。
できないところは、昼休み武器庫を開けてほしい、訓練しますと陸士が要望をしたりして、頑張り続けました。純粋な陸士が一丸になった時の力は物凄いパワーで、素晴らしいと教えられました。
「戦闘技術に負けはない」が当然のごとく守られました。
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