黒崎健時(※)が立ち上げたメジロジムに所属している「藤原敏男」は黒崎が育てた戦う心とムエタイの技術の最高傑作といっていいほどの素晴らしい選手です。ムエタイのチャンピオンベルトを日本に持ってくることを悲願として、黒崎と藤原は二人三脚で努力しチャレンジを続けます。
ボクシングがWBAやWBCのチャンピオンがいるのと同じように、当時は3つのムエタイのタイトルがありました。
軍隊中心のラジナムナムのチャンピオンは絶対にタイが負けてはならないタイトルです。
このタイトルが守られることイコール、タイ400年の歴史が守られることでした。
実力的には、藤原はチャンピオンクラスの力があるのですが、タイでタイトルマッチをして判定になるとホームタウンデシジョンにより、藤原が優勢であっても大差で負けになり、KO以外、門外不出のベルトは取れないと判断して更なる強さを二人は追求していきます。
※伝説の男 黒崎健時を参照するとこの人の凄さがわかります
遂に、ムエタイ400年の歴史が終わる瞬間が来ました。藤原とタイトルマッチをする時は、絶対負けない鬼神の強さをほこる選手がいない限りタイ側はやりません。
やっとライト級最高の強さを誇るチャンピオンとのタイトルマッチが実現しました。
そして、一瞬の必殺技でピクリともせずに倒れたまま、口から一線の血がツーと流れているチャンピオンがいました。
ムエタイ400年の歴史が終わる瞬間です。
藤原は、右のストレートをヒットさせた勢いで、右肘を顎にぶち込み、そのままルールギリギリの投げをかけ、マットに倒れながらもう一回全体重を乗せた肘打ちを入れて、そのままマットに肘を当てたまま相手を倒す作戦を敢行しました。
合計4回の強烈な避けられない必殺技をかけたのです。
その後、チャンピオンベルト奪還のためのタイトルマッチや試合をするため、タイから刺客が次々送られてきます。
刺客がすべて倒されていくうちに、藤原のムエタイ選手としての人気がタイ国でも盛り上がるようになっていきます。
あまり、名のないタイ選手と藤原の試合を当時の後楽園へ見に行きました。
ゾクッということをなんなく彼はやります。足を柔らかく上げて手のように足の指を使って藤原へサミングをしていました。
手の指で行う目つぶしを足の指でやっていたわけです。
これに苦戦しているうちに、何回か肘が右目の上に入り、人間の顔がこんなに腫れるのかというような、卵半分以上に腫れてしまい藤原はTKO負けになりました。
驚愕の足を使ったサミング(反則技です)でした。
サミングの選手が、次の機会に日本選手と試合をするのをリングサイド近くで見た時、再度驚愕しました。
藤原に勝った自信なのか明らかに強さは2倍になっているのを感じます。物凄い強さのオーラが出ています。藤原との試合の時に見せていた雰囲気とはまるで違います。
そして、始めて聞きました。ローキックがバットを振った時のように唸りました。自信は若者の力を2倍にすることを知りました。
しかし、彼の強さは長く続きませんでした。心の持ち方が不安定で、驕りが出たり、コントロールができなかったからです。
人生への姿勢と心の持ち方について考えさせられました。
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