ミリタリーとは異なる山岳の世界で活動している斉藤氏との対談の準備をしていると、時間ぴったりに彼は到着しました。
斉藤氏とは本日が初対面でした。色々な分野の人との対談を進めていこうと考えていた時に、スカウト・インストラクターのS氏から、「未踏峰をチャレンジしている若者と対談してみるのはどうですか」と紹介された方が斉藤氏でした。
S氏と部屋に入ってきた斉藤氏から感じ取れたことは、やや緊張していること、限りなく純粋な心の持ち主であること、真冬に半袖のTシャツを着ているのに、街を歩くには明らかにオーバースペックの靴を履いていたことでした。
斉藤氏はとても礼儀正しく、話していると、こちらも背筋がピンと伸びてしまう感じでした。
《”東チベット未踏峰’19 6 21~30 2″ を YouTube で見る》
未踏峰は危険がいっぱいの場所です。そこでの体験を彼はこのように話します。
「登ろうとすると、たたみ1畳ほどの岩が動いて落石となって落ちていきます」と淡々と話します。
対談をしていると、旧軍の海軍航空隊の人と話しているように感じました。
「100機以上の航空機で行った、あの作戦で帰ってきたのは、お前と俺とあと数人だったな」、「一番安全なのは、米軍の駆逐艦と巡洋艦の間を水面すれすれに、彼らの驚いている顔が見える近さで飛ぶことでした」という、危険をくぐり抜けてきた人と同じ匂いがしたからです。
私は、純粋に斉藤さんという人物を『面白い』、『未踏峰登山記録を二見龍で伝えていきたい』と感じました。
本書は、『対談内容』と『チベット登山回想録』の2部構成になっています。「チベットなんだけど行ってみる?」という軽い誘いから、現地では低酸素濃度の中で行動しなければならない環境まで進んでいった『初めての海外登山 チベット未踏峰への挑戦』をお楽しみください。
【次のブログも参考にお楽しみ下さい】
「ルーキー」の良さを取り戻す
最短距離で正解にたどりつくことはいいことか-若い人に伝えたい事-
採用時、重視すること『能力の高い人よりも、これから伸びる人』
10代後半、20代でも老人になる危険性-サミュエル・ウルマンに学ぶ-
はじめての海外登山 チベット未踏峰への挑戦: 山梨県登山連盟 齋藤雄太の登頂記録
二見龍レポート#10『FTCとの戦いを現地指揮官と振り返る』