巨大オオクワガタデータ飼育 -大型・美形の出る種親の見分け方-

巨大オオクワガタデータ飼育 -大型・美形の出る種親の見分け方-

 

 

データをとらないければ技術の向上はない

 

オオクワガタの飼育は、1年が周期なので、その年の飼育を失敗してしまうと次の年までやり直しがきかなったり、累代飼育では遺伝が重要な要素となるので、遺伝に関係する部分の失敗は、回復に3年ほどの大きなマイナスの影響を与えるか、始めからやり直しをしなければならなくなります。大事な種親の子孫の残し方も失敗してしまうため、種親の見分け方はオオクワガタ飼育の基本中の基本であるといえます。

オオクワガタの飼育では、オスはどのように子へ遺伝的な影響を与えるのか、メスはどうなのか、どの部分がいい種親を見分けるポイントなのか、自らが確認して体験した事実を確実に記録することによって、累代飼育の失敗を回避が可能となり、それ以上に大型・美形や自分の好きな形状のオオクワガタを作り上げることができます。

 

 

仮説と実験の連続

 

現在は、ネットやクワガタ専門誌にオオクワガタの累代飼育に関する多くの情報が公開されているので、探せばある程度の知識を得られるいい時代になったと思います。

種親を選定は、安定していない系統の場合、累代飼育を棒に振ってしまうかどうか、大きな影響を与えるものになります。

採集した野生のオオクワガタのメスが産卵して得られるF1は、非常にバラつきが多くオスメスの種親の選別が重要になります。

これをしっかりしないと系統がなかなか安定せず、変な劣性遺伝を入れてしまうと全部の系統がだめになってしまいます。

系統として固まってくるのは、6年ほどかかるので、毎年データを付けて結果を予想しながら飼育をするような、丁寧に累代飼育をすることが重要となります。

F1の累代飼育は、多くの事が学べるチャンスですので一回はチャレンジするとまた違った面白さを楽しめます。

3年~4年に一回全般的に小さめで量的に例年よりは多く成虫が出ますが、気にすることはありません。

原因はよくわかりませんが、6年程度で入れ替わる体内のバクテリアの受け渡しの影響ではないかと自分では整理しています。

翌年は良形のオオクワガタが得られるパターンであることがデータからわかります。

 

 

メスの選び方

 

メスは、大きさと体形とディンプルに直接影響するので、とても選別が重要となります。細長いメスだと細長い体形の子孫が、亀の甲羅のような体形だと横広の良形なオオクワタのオスとメスが得られます。

ディンプルは劣性遺伝として必ず遺伝してしまうのと大きさの限界地にきている状態なので、ディンプルの出たメスは使いません。

なかなか気がつきませんが、メスの顔に選別のポイントがあるとデータから分析できます。

顔の幅が広く、顔に鼻のような二つの突起が尖っていて荒々しい状態であり、顎が太いメスは、元気で良形の子孫を残します。メスの顔が識別できるようになると、ばらつきがなくなり、累代飼育において自分の求めている結果が出るようになります。

オオクワガタデータ飼育メス (1)

オオクワガタデータ飼育メス (2)

オオクワガタデータ飼育メス (3)

 

足の動きを見て、全ての足がきちんと動くか点検することは忘れてはならないポイントです。

一般的に劣性遺伝は出やすく子孫に影響を与えるので注意が必要です。

 

 

オスの選び方

 

横幅の広さと顎の形状は、間違いなくメスよりも子孫へ遺伝します。顎の基部が太く、顎に力こぶのようにプクッと出ていて、顎の曲がっているところにシャープな線が出ているオスはいい種親といえます。

射撃の訓練やスナイパーライフルの射撃でもデータを射撃ごとにとり、分析をして次の射撃の訓練に使用したり、射撃を行う時、その場所の環境に近い、射距離、風や湿度、光りの状態、温度に関するデータに基づいて射撃諸元を決めて射撃を実施します。

射撃手帳といわれるノートにデータをしっかり記録・分析をすることにより射撃技術が向上します。

オオクワガタの累代飼育は、射撃が一年に一回しかできないようなものなので更にデータの記録・分析が重要になるといえます。

オオクワガタデータ飼育オス

 

 

 

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天然オオクワガタを求めて-山梨県韮崎一帯オオクワガタ採集記-
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かつてのオオクワガタ有名産地、山梨県韮崎一帯で天然のオオクワガタを求めた採集記が完成しました。本書は、「1年を通じた採集記」、「採集幼虫のその後」、そして、「20年前同じ場所で体験した採集記録(加筆)」の3部で構成されています。

 

 

 
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40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
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本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
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『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
 人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
 読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

 

オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界
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オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
 日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
 オオクワガタを通じ、色々な経験や学びがあり、人生が豊かになった感じがします。そんなオオクワガタ採集記をお楽しみ下さい。

 

 

 

オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~
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マット飼育は、菌糸ビンのように簡単に大型を作出するのは難しい飼育法ですが、綺麗な個体を得ることができ、安価で多量にオオクワガタを飼育できることが魅力です。
 本書により、マット飼育のコツを積み上げ、皆さんの目指すオオクワガタを作出して頂ければ幸いです。

 

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1 Comments

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