オオクワガタ採集から学ぶトラッキング技術

オオクワガタ採集から学ぶトラッキング技術

 

 

黒いダイヤといわれたオオクワガタ

 

ブリーディングという人工的に繁殖させたオオクワガタは、20数年前にオオクワガタの繁殖要領がインターネットに公開された事により、簡単に手に入るようになりました。それまで、飼育要領が非公開のため一般の人は累代飼育ができず、オオクワガタは非常に高価となり、黒いダイヤといわれました。

野生のオオクワガタは、採集のポイントや採集時期、要領が飼育要領と同じように非公開にされていたため、更に価値がありました。

採集要領がネットで公開されてからも、個体数が少なく、なかなか採れないため、野生のオオクワガタの価値は変わりません。

そして、野生の個体を採集により得るオオクワガタ好きのロマンも変ることはありません。

 

 

オオクワガタの好きな林

 

日本全国にオオクワガタは薄く広く分布し、福島県、山梨県、兵庫県、佐賀県が4大産地といわれています。

東北はブナやミズナラの原生林のある山の奥、九州はクリーク沿いの柳の木、本州は里山のクヌギの木というように地域によって好む樹木や採集要領が異なります。

里山のオオクワガタ採集も炭焼きのために植えている台場クヌギという木を好むため、山の中や採集する人が入っていないような奥地へオオクワガタを求めて1日中歩き回ります。

 

 

採集者の存在を知る

 

自分の狙っているクヌギの木へ2時間かけて谷を越えて進み、近くに来た時に自然に次の動作を行います。

オオクワガタポイントのクヌギまでのけもの道に足跡があるか、あった場合新しいものか古いものか、付近の草が折れていたり、折れて枯れていないかを確認します。

足跡が沢山あれば、靴底の特長を調べることにより何人が採集に来たのかがわかり、足跡がはっきりしていれば数時間前、角が取れて凹凸がなくなっている足跡は古く、数日前から1週間前に来たということがわかります。

ポイントの木の回りに必要以上に足跡が多いのは、オオクワガタをゲットし採集者が興奮していることがわかります。

木の枝や草が折れても枯れていなければ、まだ新しい痕跡で、折れた草が枯れていると半日以上経っているということを知ることができます。

 

 

トラッキングインストラクターに学ぶ

 

トラッキングとは、足跡や痕跡によって獲物を追いかけて狩りをする手法です。

トラッキングは偵察要員や監視要員の情報収集に必要な技術であるとともに、戦闘員にとって基礎となる重要な戦闘技術でもあります。隊員の基礎動作と戦闘能力向上のため、トラッキングインストラクターの教育と訓練を定期的に実施し、訓練終了後、夕食会を開き多くのメンバーと意見交換をします。

トラッキングインストラクターと雑談をしている時、オオクワガタ採集の話をすると「これこそトラッキング技術ですよ。山の中をこのような感覚をもって存在することが技術を磨きます」と言われ、オオクワ採取ばかりして家内に怒られていたので、採集に行く大義ができたのと、いい感じで趣味と仕事が一致したなとニヤッとしてしまいました。

 

 

停止した足跡が意味するもの

 

オオクワガタ採集で、同じ歩幅で歩いている足跡が、ある場所で立ち止まり、左の方向へ一歩踏み出し、また歩き始めたものから重要な情報を得ることができます。

ここから、オオクワポイントへ向かっている時に、左の方向にあるポイントを地図で確認するため一歩踏み出したのか、いいポイントを左に見つけて一歩踏み出して確認したのではないかと考え、何をそこで見ていたのかを調べます。

時に素晴らしいポイントをその足跡から教えてもらうことがあります。

 

 

トラッキングの基本

 

このポイントの見つけ方をトラッキングインストラクターへ話すと、獲物を追跡したり、敵部隊を追尾する動作そのものであると言われました。

オオクワガタ採集は、トラッキングを身に付けることができる素晴らしい趣味です。

 

 

 

【kindle本が発刊されました】

 

 

天然オオクワガタを求めて-山梨県韮崎一帯オオクワガタ採集記-
天然オオクワガタを求めて-山梨県韮崎一帯オオクワガタ採集記-

 

かつてのオオクワガタ有名産地、山梨県韮崎一帯で天然のオオクワガタを求めた採集記が完成しました。本書は、「1年を通じた採集記」、「採集幼虫のその後」、そして、「20年前同じ場所で体験した採集記録(加筆)」の3部で構成されています。

 

 

 
≪次のブログも参考にしてお楽しみ下さい≫

 
 
クワガタ、カブトムシ採集・飼育を親子で楽しむ -産卵場所と飼育用マットの違い-
 
クワガタ・カブトムシ採集・飼育を親子で楽しむ -長生きさせるコツ-
 
クワガタ、カブトムシ採集・飼育を親子で楽しむ -種類によって寿命が違う、越冬の仕方-
 
クワガタ、カブトムシ採集を親子で楽しむ-クワガタ・カブトムシの発生時期を知る-
 

 

 

 

【kindle本が出ました】

 

二見龍レポート#1 ネイティブ・アメリカンの狩りの技術を伝える川口拓氏との対談
二見龍レポート#1 ネイティブ・アメリカンの狩りの技術を伝える川口拓氏との対談

 

 

 

40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術
40連隊の見えない戦士達: 自然をまとう「スカウト」戦闘技術

 

 

本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準
40連隊に戦闘技術の負けはない: どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準

 

 

『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

 

オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界
オオクワガタ採集記: 朽木割り採集・灯下採集・樹液採集の世界

 

 

オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
オオクワガタを通じ、色々な経験や学びがあり、人生が豊かになった感じがします。そんなオオクワガタ採集記をお楽しみ下さい。

 

 

 

オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~
オオクワガタ飼育記 ~マット飼育による美形・大型作出テクニック~

 

 

マット飼育は、菌糸ビンのように簡単に大型を作出するのは難しい飼育法ですが、綺麗な個体を得ることができ、安価で多量にオオクワガタを飼育できることが魅力です。
本書により、マット飼育のコツを積み上げ、皆さんの目指すオオクワガタを作出して頂ければ幸いです。

 

関連記事紹介

3 Comments

  1. Pingback: 山梨県甲府・韮崎一帯のオオクワガタ採集ポイントの掴み方 | 戦闘組織に学ぶ人材育成

  2. Pingback: オオクワガタトラッキング採集 -福島県南郷・舘岩編- | 戦闘組織に学ぶ人材育成

  3. Pingback: 2014年7月人気記事ランキング | 戦闘組織に学ぶ人材育成

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です