ガンハンドリングの基礎 -この銃は安全ですか-

ガンハンドリングの基礎 -この銃は安全ですか-

 

 

ガンハンドリングインストラクターの言葉

 

新隊員の教育から始まり、初級・中級・上級陸曹、女性自衛官、戦車・偵察隊の教育をする混成団に勤務している時、銃を安全に取り扱うことができ、国際貢献活動に参加しても他国が一緒に組めると認めるガンハンドリングの基礎訓練を進めました。ガンハンドリングを進めるために各教育部隊の若いメンバーが試行錯誤しながら訓練計画を作り上げ教育を進めていきます。

国際貢献活動教育部隊や一線部隊の研修、ガンハンドリングインストラクター訓練等、混成団の教官・助教は多くの知識と技術を身に付けていきました。ガンハンドリングインストラクター訓練をする時、インストラクターに部隊で練成訓練をして技術は向上するので、基礎・基本を中心に教えて下さいとお願いしました。

キャットシットワン(※)の戦闘技術アドバイザーもされているガンハンドリングインストラクターをお願いしたトモさんは、教官助教を前にして発した最初の言葉は、床に助教が置いた銃を指さして「この銃は安全ですか」と全員への問いかけから始まりました。

(※)キャットシットワンを参照して頂くとより興味深なります

 

 

この銃は安全ですか

 

「安全です」と教官助教が答えると「何故安全と言えるのか」と問いかけます。

「安全なのかを見分けることができなければ銃に触る資格はありませんし、隊員に教育はできません」と続け、理由が全て出てくるまで徹底的に質問を続けました。

「安全装置は確認できるか」、「銃口はどちらを向いているのか」、「安全装置はどの状態になっているのか」、「弾倉(マガジン)は付いているのか」、「薬室が見えるようになっているのか」、「薬室に弾は残ってないか」について一つ一つ理解度を確認をしながら妥協なく叩きこんでいます。

「この銃は安全ですか」をクリアできないと、次へ進みません。これをクリアすると、銃の保持要領、歩き方、警戒要領と地味な基礎トレーニングが続きます。少しでも動きが雑になったり、銃口が人に向いたり、足をかすったりすると絶対見逃さず、「皆さんは実弾でも今の行動をしますか」と話しながら、何度でもやり直し、反復演錬を行います。

当初、教官助教は弾の入っていない銃の取扱という感覚でしたが、トモさんの訓練によって、ガンハンドリングは、実銃に実弾が込められている戦闘において当たり前のようにできなければならない戦闘技術であることを理解します。更に、ガンハンドリングは、一つのミスも許されず、瞬時でも気を抜いてはならないことを教え込まれていきます。

単調で地味な、しかも、神経が擦り減って疲れる訓練が何度も何度も続きますが、ドンドン教官助教は真剣さを増していきます。

そして、「これで訓練を終了します」とトモさんが言うと、教官助教から感謝の拍手が湧きあがります。ガンハンドリングの基礎を身に付けさせてもらった嬉しさと、内容の濃い、魂の入った素晴らしい訓練を実施したトモさんに対する感謝の拍手でした。

 

 

ガンハンドリング基礎教育

 

教官助教の訓練要領の検討も進み、隊員教育前のデモンストレーションを見てみると、ガンハンドリングの基礎として必要な内容をわかり易く反復演錬を実施させながら、身に付けることができる素晴らしいものに仕上げられています。

ガンハンドリングの訓練は、置いてある銃を指さし、「この銃は安全ですか」から始まります。

 

 

 

 

 

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本書は、実戦で強烈な威力を発揮する「スカウト」の戦闘技術に触れた瞬間、根底から意識が変わってしまった隊員たちが、戦場から生き残って帰還するために、寸暇を惜しんで戦闘技術の向上へのめりこんでいく姿を記録したものです。

そして願わくば、ミリタリー関係者だけでなく、日々、現実社会という厳しい戦いの場に生きるビジネスパーソンやこれから社会へ出て行く若い人たちに、読んでいただきたいと思っています。スカウトという生き残り術を身につけることは、必ず日々の生活に役立つと私は信じています。

 

 

 

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『40連隊に戦闘技術の負けはない―どうすれば強くなれるのか!永田市郎と求めた世界標準―』
に登場する隊員たちが訓練を通じ成長していく姿は、若い人達に限らず、人材育成全般にも多くのヒントがあると思います。
 人生・仕事への姿勢について、ミリタリーの人に限らず、多くの人達に読んで頂ければと思います。
 読み方は自由に、肩肘張らず、気楽に読んでいただき、志を持ったインストラクターと若い隊員たちの記録を堪能して頂ければ幸いです。

 

 

 

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オオクワガタに出会い、採集やブリーディングを始めて、いつの間にか20数年が経ってしまいました。
 日本各地のオオクワガタの有名ポイントで多くの仲間と出会い、採集をした楽しい思い出やズッコケ採集記は私の宝物です。
 オオクワガタを通じ、色々な経験や学びがあり、人生が豊かになった感じがします。そんなオオクワガタ採集記をお楽しみ下さい。

 

 

 

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マット飼育は、菌糸ビンのように簡単に大型を作出するのは難しい飼育法ですが、綺麗な個体を得ることができ、安価で多量にオオクワガタを飼育できることが魅力です。
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